散歩が楽しくなるブックガイド。散歩と写真と哲学と

ほぼ毎日さんぽをします。さんぽの目的はいろいろありますが
①お散歩写真を撮る
②さんぽしながら哲学する
の2つはとくに大切です。

高橋美江さんの『お散歩写真概論』を読んで

仕事がら、あったほうが良いなと思って、数年前に小さな一眼レフカメラを買いました。以来いつも手の届くところにカメラを置いて生活しています。

高橋美江さんの『お散歩写真概論』は、写真の技術以前を大事にしています。この本を読むと、お散歩の楽しみ方と、撮った写真をどう読み解いていくかのヒントを得られます。
いつも心にとどめている美江さんの言葉があります。

目には入っていても、意識に入っていないと見えているものが素通りしてしまうものなのよ(P48)

人が「裏」として見過ごしてしまうもの・ことを裏返して「表」にしていってほしいと思います。(P43)

高橋美江『お散歩写真概論』芸術新聞社 2012年

かっこいい!
わたしが「この人いいな」と思う人は、おもしろがり力の高い人です。美江さんのおもしろがり力は、赤瀬川原平の超芸術トマソンを彷彿とさせます。

美江さんいわく、おもしろいと感じるのは、人の評価ではなくじぶんがそう思えることが大事だそうです。

永井玲衣さんの『水中の哲学者たち』を読んで

永井玲衣さんの『水中の哲学者たち』を読んで、哲学とさんぽは相性が良いなあと思いました。永井さんの趣味のひとつに”念入りな散歩”というのがあります。この言い回しが気に入って、わたしも使わせてもらっています。

いつもと同じ道にいつもと違うなにかを発見する。「なんでなんだろう」「どうしてなんだろう」自然と問いが生まれ、哲学が始まります。同じ道を何度でも繰り返し、念入りに歩いています。

永井さんはことば選びの素敵な方で、どれも大好きなエピソードばかりなのですが、『世界、問題集かよ』をご紹介します。冒頭から笑いころげます。

「この間、怖い顔をしながらすごいスピードで歩いていたね。」よく言われる言葉である。だが怖い顔をしているのは、笑いをこらえているからである。

永井玲衣『水中の哲学者たち』晶文社 2021年(P201)

わたしはてっきり、念入りな散歩というと、ゆっくりじっくり観察しながら歩いているのかと思っていましたが、じっさいは結構なスピードで歩いているそうです。以前、ポッドキャスト(無印良品・案内役は清水屋商店の清水さん)でご本人がそう話されていて、やはり笑いころげました。

本日は晴天なり。台風一過ですね。では、さんぽに行ってきます!

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