末永幸歩さんの『13歳からのアート思考』を読んで

「アート」と聞いてどんなイメージをもちますか。
なんだか難しそう、ピカソとか?よく分からない、じぶんはクリエイターじゃないから無理、という声がきこえてきそうです。

わたしはこの本を読んで、アートをとても身近に感じられるようになりました。

著者は本書のなかでこう書いています。

“日常生活のなかで「自分なりのものの見方・考え方」がぼやけてしまっている人にとって、アートはとてもすぐれた刺激剤になります。アートが投げかけてくる問いには、何とおりもの答えが可能ですから、「自分なりの考え方」を取り戻したい方にうってつけなのです。”

アートは根っこで、アート作品はお花

アートってよくわからない、と思っている方は、お花を想像してみてください。
お花にたとえると、アートは「根っこ」をしっかり張ることで、アート作品は「お花」という結果のこと。

アートという営みから、アート作品は生まれますが
「アート」と「アート作品」はイコールではありません。

お花は、植物のほんの一部分が見えているだけにすぎず
いちばん大切なことは、たくさんの根っこをしっかりと張りめぐらせることです。

自分にはいま「なに」が見えている?

この本では、20世紀のアーティストたちの作品を6点紹介し、作品を「アウトプット鑑賞」しながらいっしょに見ていきます。

アウトプット鑑賞とは
”作品を見て、気がついたことや感じたことを声にだしたり、紙に書き出したりして「アウトプット」すればいいのです。”

とにかく自由に!
ワークをとおして、20世紀のアーティストたちの冒険を垣間見ることができました。
6つのワークをおえるころにはきっと、アートをより身近に感じられるはず。

アートの本質と、自分の愛する人生を生きることは、同じかもしれないと思いました。

自分のあたまで考えよう

仕事や日常でなにかを選択したときに、自分なりの考えや視点はあるでしょうか。
いま話題だから、SNSで人気だから、そんな風になんとなく流されていませんか。

いまの世界は「VUCA(ブーカ)ワールド」といわれるように、変化がバラバラで見通しがきかない時代を迎えています。アート思考は、そんな時代だからこそ必要とされているのかもしれません。

アート思考とは「自分の内側にある興味をもとに自分のものの見方で世界をとらえ、自分なりの探求をし続けること」

『13歳からのアート思考』 末永幸歩著 ダイヤモンド社 2020年
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